時は今
鍵盤が重い。否、指が回らない?どちらにしてもいつもの弾いた時の感触と微妙に違っていた。
天候で鍵盤が重くなったりすることはあるが、外は晴れていて湿度も高いようには感じない。天候のせいではない。
もう一度弾き直してやはり同じ違和感があり、弾く順番のせいかと気づいた。
ハノンの教本を広げる。1番から20番までを弾いて、ブルグミュラーの練習曲を弾いてみた。
(あ…)
さっき感じた違和感がなくなっていた。すんなり指が動く。
なるほど、こういうわけだったのか。
ハノンの単調な練習曲が、ブルグミュラーのような曲を弾いた時に、指が転ばないように慣らしていてくれたのだ。
何だかこういう謎が解けると楽しい。
ハノンに力を入れすぎて他の曲が練習出来なくなってしまうのも考えものだが、基礎は基礎でやはりある程度はしてからがいいのだろう。
由貴はハノンとブルグミュラーの楽譜を見比べて、相性の合う曲同士もあるのかもしれないと思った。
ブルグミュラーの何番を弾くには、ハノンの何番を先に練習した方がいいとか。
子供の頃はそんなことは考えずに弾いていたから、弾く順番が何故その順番だったのかがわかって嬉しくなった。
デュベルノアは1番から10番まで、ブルグミュラーは1番から15番までを弾いて、練習を終えた。