時は今



 樹は何ともいえない余裕のある笑みを浮かべた。

「お前、可愛いよ。高遠雛子」

「何それ。私のこと口説いてるの?」

「さあね」

 だが、樹と話していたら、ムカムカしていたものが若干緩和されたような感じがした。

「雛子、一緒に作ろ」

「うん。たまにはさ、爆発したっていーよ」

 女子は雛子の気持ちに何か通じるものがあるのか、そんなことを言った。

 雛子もそれで気を取り直して衣装を作り始めた。

 女って変な生き物だな、と樹は不思議に思う。

 でも嫌いじゃない。



     *



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