【 側にいるよと笑うから 】




「最悪...制服クリーニングしたばっかなのに。お母さんに怒られる。」


呟きながら外に出ると、先に傘を持っていった杉本が待っていた。



「早くしろよ。」


「え。」


「しょうがねぇから送ってやる。」



ねぇ違うよね。
本当は傘を借りたかったんじゃないでしょ。
こうやって二人で帰りたかったんでしょ。



「ばればれなんだよばーか。」


「うるせぇ。なつくな。」


「てかそもそもこの傘わたしのだし。」


「知らね。」



こうやって歩くときも、わたし側に傾けてくれる傘。
本当に不器用だよね。わかりづらいよね。

でもそんなとこが



「気づいちゃったのが悔しい。」


「なにがだよ。」



杉本のいいとこだって気づいた。




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