【 側にいるよと笑うから 】
「5・4・3・2・1・ぜ「セェーフ!!はいセ――フ!!!」
「チッ。いちいち勘にさわる奴だな。」
「何が?!こんなに必死なのに!!!!」
今日の獲物は購買で販売されている、1日限定5食のフルーツサンド。5分以内に屋上へ持ってくること。
「へー。これが幻のフルーツサンドか。」
「もっと感激しろや。あらゆる猛者達から守り抜いたんだぞ。」
何100倍という倍率で、生徒達はこのサンドを求めて、昼休みのチャイムが鳴った瞬間に購買へなだれ込む。
実は入学して1年半が経つが、わたしも今日初めて手にした。
「やっぱいらね。」
「...はぁ?!ちょっと待て――い!!人が苦労して買ってきたものをいらないって!!」
「甘いもの嫌い。」
「それなのにわたしを走らせたの?!まさに外道!!!!」