お見合い恋愛
「悪いな・・・今日も残業なんだ」
三宅課長のすまなそうな声が聞こえてくる。
「いいのよ、体壊さないようにね」
女性は何かを大事そうに抱えている。
・・・って、あれ、赤ん坊?
俺は、赤ん坊を抱えて駅に向かってあるく女性の後ろ姿を見つめる。
もしかして、三宅課長って結婚してんのか?
じゃあ、あのメモ紙は俺の勘違い?
頭の中をフル回転させても、俺には理解できなかった。
なにせあのメモの内容までは見ていない。
もしかして、ただ単に仕事ついでにおもしろいことが書いてあったのかもしれないし。
無理やりな理由をつけて俺は理解しようとする。
「あれ?榎波さん」
一瞬、背中に冷たいものが流れ落ちた。