お見合い恋愛
「あ、お、お疲れ様です」

慌てて電話してたふりをしたけれど、変に思われただろうか。

「ご結婚されていたんですね」

俺は三宅課長の左手を見つめながら言った。

「あ、ええ。会社ではあまりおおっぴらにはしていないんですよ」

三宅課長は特に隠すわけでもなく、あっけらかんと言い放つ。

「でも、そうしたら女子がほっとかないんじゃないですか?」

「あー、そうかもしれませんねぇ。今日もこれから受付嬢とデートなんですよ。可愛かったでしょ、受付の子」

三浦課長は、楽しそうに笑いながら指輪をはずし再びビルの中へと姿を消した。






これは、どうするべきなんだろう・・・

お見合いを断るべきか

それとも唯香さんに真実を問いただすべきなのか。














見なければ良かった。


俺は、そう思わずにはいられなかった。
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