哀のウタ
「ん...。」
「おぉ、起きたか。おはよう」
少しぼやけて見える視界に
優しく笑う鵺吠の顔が映った。
「おはよ、鵺吠。」
今、何時だろう...
「ああぁぁぁ!!もうこんな時間っ」
目をこすって時計を見ると...
AM11:20
確か今日は...。
「バイトの面接っ!」
前々からお金がなくていろいろ不便だったから
バイトするって言って、
この間、藤崎商事ってとこに電話したんだった。
約束の時間は確か・・・12時!
まずい、まずい。これじゃあ確実に遅刻っ!
「お、おい。・・・あゆ?」
「うるさいっ!面接に遅れるんだってば!」
「あ?面接?お、おまっ、それって・・・」
あー、もうごちゃごちゃうるさいっ!時間がないって言っ・・・
「明日じゃねえの?」
え・・・。今日って何日だっけ?
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「大体、お前は慌て過ぎ。俺が起こすんだから今日じゃねえってことくらい気付けっ!」
うー・・・うるさい。はい、そうでした。
案の定、明日でしたよっ。
でもっ!この人は父親ですかっ。
ぶつぶつぶつぶつ・・・まったく
「なんか、言ったか?」
ひぃっ!?
「いっ、いえ!何も言ってません」
あ、危ない。声に出しちゃってた。