哀のウタ
幸せ
そのあとは二人で外に出て散歩を
することになったんだけど...

「きゃー、かわいー」

「ん?柴犬かぁ。あぁ、確かにかわいいな。
ただ...お前少しうるせえよ。」

「...。」

はい。私たちは今、ペットショップに来ています。

もー、めちゃくちゃかわいい犬やら猫がいるわけでして、
動物大好きの私にはたまらないんですよ。

それをこいつは...っ!

私が少しでも騒ぐとすぐこの言い方っ!

スタスタスタスタ...

「お、おい。あゆっ。待てよ」

「うるさいんでしょ」

「そりゃ、お前が騒ぐから...」

「じゃ、来なければいいんじゃない?」

まったく。人がせっかく楽しんでたというのにっ!

ばかばかばかーっ...。

ポンポン。

「ふぇ?」

「そう拗ねんなって、なぁ?」

鵺吠は軽く私の頭を撫でたあと、のぞき込むように
しゃがむと目をあわせて微笑んだ。

...なんでこの人はこんなに私の扱いが上手いのでしょうか

こんなんじゃ、なんだって許しちゃうじゃんか。

「すいません。この子犬、いくらですか?」

は?

「こちらの子は、只今セールのため14万…」

「買います。」

は??
今なんて?

「えっ…」

「聞こえませんでした?買います。」

はぃぃぃぃい!?


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