キズナ~私たちを繋ぐもの~
バタン、と車のドアが閉まった音がして目が覚めた。
私は体を起こして、まず時計を見た。
夜の0時。
兄が帰ってきたんだろうか。
その割にはすぐに入ってこないな、と思っていると玄関のベルを押す音がした。
慌てて出ると、そこには足元もおぼつかなくなっている兄と兄を支える紗彩さんの姿があった。
「紗彩さん」
「ごめんね。綾乃ちゃん。達雄、飲み過ぎちゃって。部屋に連れて行きたいんだけど手伝ってくれる?」
「は、はい。ちょっとお兄ちゃん」
「ん、あ」
「お酒臭い!!」
こんなに酔う兄は珍しい。
私と紗彩さんは、兄の両脇から肩を担いで引きずるように一階の母の寝室まで連れて行き、ベッドに横にした。
二階の兄の部屋まで連れていくのは物理的に無理だ。
それに今は母は入院中だから何の問題もないだろう。
これだけの距離で、私はもう汗だくになり、呼吸が荒くなってしまった。