キズナ~私たちを繋ぐもの~
「……司」
バスの中で受け取ったメールだ。
怖くて中身が見れなかった。
だけど今、すがれるものもこれしかなかった。
震える指でボタンを押し、メールを開く。
送信者は司。
メッセージが表示される。
【話がしたい。いつまでも、待ってるから】
「……っ」
涙があふれてきて、慌てて袖口で拭う。
コンビニの店員さんは、不審そうに何度も私の近くを見回りに来た。
ずるい。
そう思うのに。
私はそのまま、司の番号へと電話をかけた。
呼び出し音がいくらもならないうちに、彼は電話にでて。
しばらく言葉を出せない私に、変わらない優しい声で呼びかけてきた。