キズナ~私たちを繋ぐもの~
もう会話はしていない。
なのに彼は、電話を切らなかった。
車から流れてるのであろうラジオの音楽が小さく響き、時折り『すぐ行くからな』と司の声が混じる。
少しずつ落ち着いていく心の内側で、
私は何度も問いかけた。
どうして。
どうしてあなたは、そんなに優しくしてくれるのですか。
こんなにずるくて、迷ってばかりの私に。
どうしてそんなに手を差しのべてくれるのですか。
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