キズナ~私たちを繋ぐもの~


「はあ……」


自然に何度も湧きでる溜息を気にしてか、司はビールの缶を開けないまま、私の後ろに来て肩をもんだ。


「緊張したか?」

「うん。……そうかな」

「親父たちも、綾乃のこと気にいったみたいだ」

「そうなのかな。だったら、いいけど」


どこかすっきりしないのは何故なんだろう。

ただ不安なだけ?

原因が自分でも良く分からないから、すっきりしない。


「……着替えるね」


私は司の手から離れて、クローゼットの扉を開けた。

脱いだワンピースをハンガーにかけて、そのままシャワーでも浴びようと部屋着を手に持ってバスルームへと向う。

< 218 / 406 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop