キズナ~私たちを繋ぐもの~
「待って」
その私の動きを遮るように、司の腕が通り道をふさぐ。
すぐバスルームに入るつもりだったから、下着姿のままだ。
キャミソールだけでむき出しになっている肩が、なんとなく気恥ずかしくなって、胸元に抱えていた部屋着をギュッと抱きしめる。
「何?」
「相談があるんだ」
「シャワー浴びてから聞くわ」
「今聞いて」
そう言って、彼は私の腕を掴んでベッドの近くまで引っ張ってくる。
「あの、じゃあ、服着るから」
「いいよ。そのままで」
そうは言われても、今は冬な訳で下着姿では寒い。
「だって寒いし」
「いいから」
有無を言わさず、司はベッドから毛布を取り出し、自分ごと私を包んだ。
後ろから抱きしめられる形になり、司の体温と共に柔らかい毛布が肌に触れる。