キズナ~私たちを繋ぐもの~


「綾乃?」

「や、あの、……嫌。やめて」

「どうした?」

「やめて。……お願い」


頭の中が、一瞬であの夜に戻る。

私を求めたようで拒絶した兄。
愛しているといいながら、私を信じられない司。

似てもいない2人が、重なって頭の中に残る。


「……いや」


自然に浮かび上がる涙が、司を動揺させたようだ。

彼は私から体を離し、毛布を私の上にかぶせてから、髪をかきむしるようにして頭を振った。


「……どうして、俺じゃ駄目なんだよ」

「違うの。駄目な訳じゃなくて」

「じゃあ、なんなんだ!」

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