キズナ~私たちを繋ぐもの~
彼が毛布の中に入ってきて、私の体の上にその逞しい体を重ねる。
「綾乃」
熱っぽい声。
どこか心もとなげにゆれる瞳。
部屋の明かりが、私の上にかぶさる司の顔に影を作る。
いつも目をつぶっていたり、明かりを消したりしているから気づかなかったけれど、彼は私に触れる時こんな顔をするのだろうか。
それは幸福な顔とは少し違うように見える。
どこか辛く、どこか悲しそうな。
兄があの日、私に見せたような。
「……やっ」
突然、脳裏に兄に拒絶された夜が戻ってきて。
私は反射的に身を怯ませて、彼の手を払った。