キズナ~私たちを繋ぐもの~

 深く沈みこむ意識の中、色んな人の言葉が私の頭の中に振ってくる。


白い病室、私と二人きりで向かい合った母。


『今までごめんね』


お母さん。
どうしてそんな事を言うの。


『ずっと、アンタと達雄を苦しめてると思ってた』


ううん。
苦しんでいたのは、お兄ちゃんなの。
私はずっとお兄ちゃんと一緒で嬉しかった。

出て行こうとしたあの日、私はお兄ちゃんを引き留めてしまった。
だからこんなに苦労をさせてしまった。


でも、お母さんが生きていてくれて、私はきっとホッともしていた。

だって、兄は私だけの為に縛られてた訳じゃない。
お母さんの世話もしなきゃいけなかったから。

だから、私とお母さんに似合う言葉はきっとこれだ。


『共犯者』


二人で、お兄ちゃんを縛り付けていた。

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