キズナ~私たちを繋ぐもの~
「俺は妹としてのお前が大事だったし、母さんの為にも兄妹でいなきゃいけないと思っていた。
だけど一方でお前が愛しいと言う気持ちもあって、ずっとどうしたらいいのか分からなかったんだ。
あの夜、お前に好きだと言われて、そのまま自分のものにしてしまおうと思った。
……だけど、怖かった」
「……っ」
「失うのが、怖かった」
「おにい、ちゃん」
「お前との暮らし、母さんとの関係。一つつつけば簡単に壊れてしまいそうな危うい関係を、壊すのも失うのも怖かったんだ。……でも」
「え?」
「お前は壊した。頼ってばかりの自分を変えて、一人で立って歩ける女になった。……そう、前よりずっといい女になった」
「お兄ちゃん」
「女は強いな」
兄が笑った。
もう36歳なのに、その笑顔は少年のような屈託のないものだった。
私は震える声で必死に言葉を出す。