キズナ~私たちを繋ぐもの~
兄は私の頬を流れる涙を唇ですくい取って、そのまま顔じゅうにキスを落とす。
「綾乃の事が、好きだ」
その言葉が胸にすとんと落ちて、私の体中が温かくなってくる。
兄の唇は私の唇を探り当て、すくい取るようにキスをする。
優しく、柔らかく、なぞるように。
やがて段々と深く、熱く。
それは紛れもない、恋人のキス。
「……あ」
ゆっくりと動く兄の掌は、肩から背中、そして胸元へと場所を移す。
私の声に、一瞬手を止めて唇を離す。
「嫌か」
「う、ううん」
「もう、我慢できない」
「……」
「抱きたい」
「……うん」
どさりと、ベッドに落とされる。
兄が明かりを消して、ゆっくりと私の上にのしかかる。
貧弱な作りのパイプベッドが、
ぎしり、と音を立てた。
ずっと一緒にいたけれど、こんな風に近付いたと感じた事はなかった。