キズナ~私たちを繋ぐもの~
「紗彩はずっと辛そうだった。
死んだ旦那が一番好きだったんだ。
……母さんもそうだ。親父があんなに好きだったのに、先立たれて辛かったんだろう。
俺は、そうはなりたくない。
今まで遠回りした分、お前と一生離れたくない。
だから、ほんの少しでもいいから俺より長生きしてくれ」
「達雄」
「俺の方が弱い」
そう言って、少し泣きそうな顔になった達雄の頭を、私は両手を伸ばして胸に抱きしめた。
ああそうか。この人は。
「分かった。頑張る」
「……頼むぞ」
10歳も年上のあなたは、本当はすごく臆病だったんだ。
だからずっと、関係を変えることも恐れて、ただ自分を押さえつけていたんだ。