キズナ~私たちを繋ぐもの~
「ははは。お前何ごまかしてんの。お前が手ぇ出す気無いなら、俺に紹介してよ。達雄の秘蔵っ子なんて考えただけでよだれが出そうだ」
「お前みたいなタラシになんか、絶対会わせるか」
「どうしてだよ」
「変な虫は付けたくない」
「……じゃあ、変な虫じゃなかったらいい訳?」
カラン、とグラスの氷が鳴った。
その瞬間だけ、沈黙が走る。
「英治?」
「本気で、結婚前提にお付き合いします。ならいい訳?」
「ふざけんな。綾乃はまだ19だ」
「出来る年だろ、結婚。親が病気で大変なら、むしろ早いとこ落ち着いた方がいい」
「……」
頭に血が上ると言うのだろうか。
俺は何を考えるよりも先に、右手で作った拳をテーブルに打ち付けた。
ゴンという、割に大きい物音に、近くのテーブルのざわめきが一瞬止まる。