キズナ~私たちを繋ぐもの~
「……駄目だ!」
ようやく出た声は、自分でも驚くほど低い声だった。
英治は一瞬驚いた顔をして、そのうちににやりと笑う。
「じゃあ、どんな男ならいい訳?」
「それは……」
目を泳がせる俺を、英治は笑みを浮かべてみている。
何だか悔しくなって、俺は思い描いていた綾乃の相手を口に出す。
「だから。
そこそこの年収があって、家族を思いやるような男で。
どちらかと言えばアヤを引っ張っていってくれるくらいの強引さがあるとなおいいかな」
「なら俺でもいいじゃん?
一人に決めたら一途だぜ?」
「お前はダメ。歳も離れ過ぎてるし、大体綾乃の事が好きじゃない」
「これから好きになるかもよ」
「ダメだ、ダメだ、ダメだ!」
語気荒く言う俺の背中をポンポンと叩くと、
英治は「お前ってホントしょうがねーな」と笑った。
そして、顎を手に乗せて、俺の顔を覗きこむ。
「どんな男でも駄目なんじゃないの?」
「そんな事はない。……綾乃だっていつかは、結婚するんだから」