龍神







「真南、大丈夫だよ~。俺らがいる」


「うんっ」


「よしよし、何かあったら頼っておいで~?俺はいつでもお前の味方だからよー」


「幸、ありがとうっ…」




幸が優しすぎて、温かすぎてあたしはすがりついて泣いた


幸が何を思っているのかすらも、分からずに




あたしは一人じゃない

みんながいる



だから、大丈夫。






なんて安心したから気付かなかった


幸の表情も、泣きそうな瞳も。





「…真南は、綺麗だ」


「えっ?」


「んーん、何もねぇよ~」




何かを呟いた幸の言葉をあたしは拾えなくて


幸はあたしに笑った





「真南、すげぇひでぇ顔してんな~。顔洗っておいで~」


「…うん」





泣いたからだよね?


ひどい顔ってそういう意味で言ったんだよね?





あたしが鏡の前に立つと、幸の言う通りひどい顔をしていた



「ほんとにひどい顔」


顔を洗う

うっわ、つめたっ!



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