琥珀色の誘惑 ―王国編―

(14)絆をもう一度

舞は苛々と廊下を歩き回っていた。

そこはカンマン市内、女官のクブラーに連れて来られた離宮である。何でも、ライラの母・サマン王女の所有だという。

舞が滞在していた時とは違って、建物は王太子直属の衛兵部隊で囲まれていた。



馬か車で砂漠から町に戻るのだろうと舞は思っていた。だが、ヤイーシュたちのテントから少し離れた場所に、なんとヘリが待機していたのだ。

舞は人生二度目のヘリに乗り、カンマン市内まで戻った。

その途中、当たり前だが砂漠の真上を飛んだ。見渡す限りの砂の海に、舞は感動すら覚えていた。

もう一度テクテクひとりで歩けと言われたら……それはちょっとお断りしたい。

でも、この素晴らしく壮大な景色は、日本ではとてもお目に掛かれないだろう。


「美しい景色であろう?」


突然、ミシュアル王子に言われ……舞は何も考えずに答えていた。


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