吐息が愛を教えてくれました
そして、私たちは食事を済ませたあとリビングに移動した。
ソファに腰かけて涙まみれでみっともない状況の顔をタオルで拭いていると、私の隣に千早が座りコーヒーをテーブルに置いてくれた。
「あ、ありがとう」
コーヒーの香りに気づいてお礼を言った私は、タオルを両目に当てたまま小さく頭を下げた。
さっきは自分の気持ちを抑えることができなくて、千早に思いを打ち明ける事だけに必死で、小汚いに違いない顔を気にする余裕もなかった。
でも、一旦落ち着いてみれば、涙でメイクもぐちゃぐちゃになった顔を千早にさらしていたんだと気づき慌ててタ
オルを顔に当てて涙を拭いた。
素顔を千早に見せたことは何度もあるけど、崩れたメイクの顔を見せる方がよっぽど恥ずかしいな、と落ち込んでいると、千早が探るような声で呟いた。
「お礼をもう一回言ってもらおうかな」
「ん?」
「このお礼は実里の人生全てをくれればそれでいいし」
「は?」
千早が何を言っているのかわからなくて、顔を覆っていたタオルを少しだけずらして隣に座っている千早を見た。
すると、何かを企んでいるような顔がそこにあって、私の左手をそっと掴んだ。
「どうしたの?」