繋がれた糸 (短編)
文人のことを考えてるあたし。
それが普通なのにも
気付かないふりをするあたし。
「亮輔…もうやめたいって言ったらどうする?」
駆け引きをして
亮輔を試すズルイあたし。
でも、このままじゃ
昔となにも変わらない。
「な…に言ってんだよ」
「あたし達……どうなりたいのか分からなくなってるよ」
もう……
成長できなかった
幼い2人じゃないんだから。
「……実沙季」
「あたしはっ…亮輔が好きなの」
涙で亮輔の顔が歪んでく。
亮輔の前で泣いたのは
昔付き合ってた以来。
「オレも好きだ」
「違う……亮輔の好きはあたしの望んでる答えじゃない
「なに言ってんだよ」
辛い気持ちが全部
溢れ出てしまう……
言わないように
我慢してきたのに。