繋がれた糸 (短編)



文人のことを考えてるあたし。

それが普通なのにも
気付かないふりをするあたし。



「亮輔…もうやめたいって言ったらどうする?」


駆け引きをして
亮輔を試すズルイあたし。




でも、このままじゃ
昔となにも変わらない。



「な…に言ってんだよ」



「あたし達……どうなりたいのか分からなくなってるよ」



もう……

成長できなかった
幼い2人じゃないんだから。



「……実沙季」


「あたしはっ…亮輔が好きなの」



涙で亮輔の顔が歪んでく。


亮輔の前で泣いたのは
昔付き合ってた以来。



「オレも好きだ」


「違う……亮輔の好きはあたしの望んでる答えじゃない


「なに言ってんだよ」



辛い気持ちが全部
溢れ出てしまう……


言わないように
我慢してきたのに。





< 14 / 18 >

この作品をシェア

pagetop