繋がれた糸 (短編)
「本気か……?」
亮輔とあたしの距離は
手を伸ばせば届くのに
それをしないのは
これが現実。
「あ…っ…たしは亮輔を忘れないと文人を愛せない……」
どうしてあたし達は
あの時諦めてしまったの……?
再会したら
求めてしまうくらい好きなのに
どうして……?
「愛すなよ」
「え……」
「オレ以外を、愛そうとするなんてオレが許さない」
いつものように
強引な口調でそう言った亮輔は
あたしを勢いよく抱きしめた。