嘘つきな君からのキス
目の端で白い紙が落ていく。何が起こったのかはすぐに分かった。
「ご、ごごめんなさいっ!」
だからこそすぐに起き上がり、床に正座して平謝り。
相手はゆっくりと起き上がって、顔をしかめながら額を押さえていた。今にも声をあげそうで、でもあげない。前回以上に痛そうに見えた。
「ま、また怪我させちゃっ……!」
いよいよ涙が貯まってきて、視界が歪み始める。
今度こそ泣いてしまいそうになるのは髪の間から覗く額が目に見えて赤くなっていたからだ。
「こ、氷は……?」
「いらない。……落ち着きなよ」
「病院……!?」
「行かない。……落ち着けって」
「でも……っ!」
ぶわっと溢れて流れる涙。処置の仕方が分からずに困惑するばかりで、自分が嫌になる。悪いのは私で、痛いのは三神くんなのに。