ふたり。-Triangle Love の果てに


そうよ、あなたのせいよ。


あなたがこの心をどうしようもなく乱すの。


でも認めたくなかった。


「そんなことはありません」


「そうかな」


「泰…いえ、相原さまはご自分にとても自信がおありなのですね。私があなたを意識するばかりミスをしたと?」


本当はこんな言い方したくないのに。


嫌味ばっかり…


「私だって人間です。体調が優れなくて調子が出ないことだってあります」


止まらないこの口。


いい加減にやめたいのに。


こんなこと言いたくないのに。


泰兄はしばらく私の顔をじっと見ると、財布を取り出した。


いつもと違って無造作に紙幣を投げるように置くと、冷たい声で言い放った。


「おまえはプロなんだろ。だったら体調が悪いだなんて、みっともない言い訳をするな」


席を立つと、コートを着始める。


「一流と呼ばれる人間は、気持ちで身体をコントロールする。その心の乱れを素直に受け止められないおまえは、一生一流のバーテンダーにはなれない」


「……」


ぐさりと胸を突き通すような言葉。


微動だにできなかった。


息をするのもやっとなくらい。


反論すらできなかった。


だって泰兄の言ってることが正しかったから…

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