ふたり。-Triangle Love の果てに
だがここでも、女はマコを困らせようとする。
赤いカクテルを作ったワケを言え、と迫る。
まったく、女という生き物は同性に対しては厳しい。
そういうものだから仕方ないのかもしれないが…
俺のクラブで感情に流された接客はしてくれるなよ、なんて隣の女の横顔を見ながら思っていると、マコはまたここでもさらりと言ってのけた。
何の嫌味もなく、自然に。
「そのネックレス、とてもよくお似合いです、大切な方からのプレゼントですか」
その言葉に別人のように機嫌良くなった女は、マコに名前を訊ねるほどだった。
たいした女になったな。
木から降りられないと半泣きだったのが、嘘のようだ。
度胸がある。
俺は胸元からペンを取り出すと、連れの女がトイレに立った隙にコースターにこう書き込んだ。
「久しぶり、また来る。相原泰輔」と。
その時、俺はいろいろなことを考えていた。
今度はおまえとゆっくり話がしてみたい。
おまえの出す酒をもっと飲んでみたい。
そして、その猫のような人を惹きつけて止まない瞳の奥を…
深く、深くのぞいてみたいって、な。