ふたり。-Triangle Love の果てに
「おまえは良かったと思ってるんじゃないのか」
「どうして私がそう思わなきゃいけないの」
「俺があの女と寝てないってホッとしてるんだろ」
顔が熱くなった。
図星とまではいかないけれど、ホッとしなかったと言えば嘘になる。
でも…
でも私の気持ちに気付いていながら、こんなことよく言えたものだわ。
「いい加減なこと言わないで」
「それにだ。あのカクテル、やけになって出しただろ」
between then sheets。
ベッドに入って…
そうよ、あなたの言う通り。
うかれてた自分が情けなくて、悔しくて…
だからわざわざあのカクテルを作った。
「…ないで…」
喉の奥が痛くて、声がかすれた。
「何だって?」
「うぬぼれないで!」
私はバッグで彼の腕を打った。
「うぬぼれ?そうかな。おまえは俺を気にかけてる」
肩をすくめて答える彼。
「誰があなたのことなんて!」
「試してみるか」
泰兄が私の顎を持ち上げた。
少しずつ彼の顔が近付いてくる。
このまま私の唇はあなたに奪われるの?
…それでも…いい…
どうせ最低な日なんだもの。
最低のキスだって、かまわない。
そんな無抵抗の私に彼は言ったの。
「今もやけになってるだろ」って。
我に返った私は思いっきり彼の胸を押した。
「からかわないで!」
「おっと」とおどけた顔をする泰兄。
「冗談はやめて!誰があなたなんて!」
肩で息をする私。
そんな私の乱れた髪に手を伸ばし彼は静かに言った。
その指に髪を絡ませたり解いたりしながら…