無口な彼が残業する理由 新装版


定時、17時30分。

精神をすり減らしてぐったりしてしまった私は、

「今日は帰る」

ことを宣言した。

「珍しいじゃん」

と周りに言われて、今まで自分がいかに仕事ばかりしていたかを思い知らされた。

青木は私と帰ろうとしていたけれど、

先輩に言いつけられている仕事を終わらせていないらしい。

助かった。

いつものように私より先に仕事を終えていれば、

確実に捕まっていただろうと思う。

「お疲れさまでした」

と言って逃げるように事務所を出る。

今日はゆっくり休もう。

長風呂でもして心と体を落ち着けよう。

緊張したり落ち込んだりして、なんだかすごく体が重い。

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