無口な彼が残業する理由 新装版

丸山くんは恐る恐るこっちを向いて、

部屋着を被っている私を見て少し安心したようだった。

部屋着の裾からゆっくり手が入ってくる。

「体、熱いな」

呟いてホックを解放した。

そのまま丸山くんがピンク色のブラを引きずり出し、

さっき脱がされたブラウスの上に放る。

「下も、履き替えな」

「うん」

「自分でできる?」

「たぶん」

熱に浮かされた私は自らのスカートに手をかけた。

それを丸山くんが慌てて制止する。

「ちょ、待って」

「え?」

「俺が出てからにして」

やだな、私。

はしたない。

でも、丸山くんが帰ってしまうのは

なんだかすごく寂しい。

「行っちゃうの?」

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