無口な彼が残業する理由 新装版

私は丸山くんを起こさないように、

静かにテーブルに手を伸ばして飲み物を飲んだ。

体は随分楽になっている。

この調子なら、きっと熱は下がっている。

それにしても、汗をかきすぎた。

シャワーを浴びよう。

ゆっくりベッドから降りて、

抜き足差し足忍び足で浴室へ向かう。

給湯器のパネルで時間を確認すると、

5時を回ったばかりだった。

丸山くん、泊まっていったんだ。

あんなところで眠っちゃって、

体痛くないのかな。

シャワーが終わったらベッドで寝てもらおう。


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