無口な彼が残業する理由 新装版
私は一度深呼吸した。
「私の企画、課長がOK出してくれたの」
丸山くんは表情を変えず私を見つめている。
「……おめでとう」
淡白な反応。
これくらい想定内だもん。
「丸山くんが誰かに頼れってアドバイスくれたからだと思うの。ありがとう」
「別に」
よし、一つクリア。
「それとね、この間、熱出した時。看病してくれてありがとう」
「うん」
「おかげで一日で復活できた。これも丸山くんのおかげだと思うの」
二つ目もクリア。
「それとね」
私はもう一度深呼吸した。