無口な彼が残業する理由 新装版
大丈夫。
ちゃんと練習した。
「私ね」
たった二文字。
簡単な二文字。
「丸山くんのこと」
言える。
言えるはず。
「好き、だから」
この言葉に、今日一日分の体力全てを使った気がした。
青木のうそつき。
言えたけど、全然簡単じゃなかったよ。
丸山くんは一瞬驚いた顔をしたけれど、
すぐに元の涼しい顔に戻った。
これで変われるかな、私たち。
丸山くんもちゃんと口で言ってくれるかな――……