無口な彼が残業する理由 新装版
「まだいたんだ」
「ああ、うん」
丸山くんは当たり前だけど男性だ。
だけど10代の女の子をターゲットにしたサイトのデザインを任されているから、
きっと私なんかより大変なんだと思う。
たまにギャル雑誌なんかを開いているのを見かけるけれど、
似合わなすぎて笑っちゃった。
ずっとパソコンに向かっているから、
目も肩も凝りまくってるだろうな。
「ねぇ、一休みしない?」
「だな」
私は座ったまま、この間テレビでやっていた肩凝り解消の体操を始める。
丸山くんはおもむろに立ち上がってどこかに行ってしまった。