摩天楼Devil
真悠子は、今度は唖然と口を開けてる。


「あんたねぇ……いい?気をつけな。騙されかけてるわよ」


「え?だ、騙され、かけ……?」


「ええ。完全に、遊びの手口にハマってる。そのうち、無理矢理キスされたりしちゃうわよ!」


――いや。それはもう……


言えずに、再び顔が熱る。


やっぱり、真っ赤になってるらしく、今度は彼女が蒼くなる。


「まさか、もうやられたわけ!?バカ!!金とかブランドに飛び付くからぁ!!」


真悠子は私の両肩を掴み、揺すってきた。


「し、してないしてない!キスされたことなんてないから!安心して!」


私は必死に訴えかける。


ただ、真悠子の言ったことで、引っかかる部分があった。

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