摩天楼Devil
「ねぇ、遊びの手口って何?」


と、落ち着いてくれたとこで訊いてみた。


「はぁ、あんたってば、箱入り娘ね。どうみたって、遊ばれてるっていうか、騙されかけてるわ。

強かったり、偉そうな面を見せておいて、ふとした時に、寂しそうなところを見せつける。

あんたみたいに、天然で、男に免疫のない女は、ころっと騙されて、

“この人の傍にいてあげなきゃ”“悪ぶっていても本当は純粋なんだわ”とか言って近づいて、いいように利用されちゃうの!」


なるほど、とは頷けたけど、そういった遊び人と、篤志さんとはどうしても結びつかなかった。


初対面の時期なら、もしかしたら、やっぱりね、と同意したのかもしれないけど――


「篤志さんは……違うよ……お兄さんの話した時、本当に寂しそうだったの。嘘とは思えなかったよ」

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