摩天楼Devil
「悪い人ではないよ」

――たぶん。


着替えとか、部屋空けてくれたし……


昨日の恥を思いだした。


そ、そういや、肩紐落ちてきたとき、押さえたけど、見えてないよね!?


「……妃奈?あんた、顔赤いんだけど、まさか……」


とっさに、私は頬を隠す。


すると、真悠子はますます目を光らせる。


「あ、あんた!まさか、惚れちゃったわけぇ!?」


ん?惚れ……?


親友の口から出た言葉に、あっという間に蒼くなる。


「な、な、なわけないでしょ!だ、誰があんな人!格好いいし、メガネ外したら優しい目をしてて、

性格悪い、って思ってたら、優しくしてくれる時もあって……

急にね、寂しそうな瞳を見せられたこともあって、ついつい放っておけない、みたいに感じたりしたよ!

だから、って、好きになるなんてありえないわ!」

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