摩天楼Devil
私の言葉に、真悠子はがくっと肩を落とす。


「ああ、すっかり騙される……あのねぇ、演技に決まってるでしょう。

あの、センチュリーMarket創設者の息子、お坊っちゃんが、あんたみたいな一般女子高生を対等に見てくれると思う?
実際、パシリにされてんじゃん」


親友は本当に心配してくれ、注意してくれただけ。


分かってるのに、なんでだろう。


ズキン、と胸に刺さった。


「ち、違うもんっ。篤志さんは……」


「妃奈!現実見なって。ワンピースもドレスもくれたのは、あんたを利用しやすくするためよ!
ワンピもドレスも諦めな。さっさと、こんなバイト辞めるのよ!」

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