摩天楼Devil
「いつまでも逃げてられると思うな。これは、決定事項だ。父さんは甘いよ。最後に、こんなワガママ許すなんてな」
――最後? ワガママ?
篤志さんのお兄さんと思われるその男性は、運転席のドアを開けようとした。
篤志さんは、ぐっと手を握り、足元を見てた。
だから、最初に私に気づいたのは、“お兄さん”
「あれ?……君は……?」
目があって、彼はゆっくり近づく。
「妃奈!」と、一歩遅れて、篤志さんが私に気が付いた。
お兄さんは、足を止めた。
「ああ、君が妃奈か?」
――篤志さん、私のこと話したの?
「兄さん!話は終わった!帰ってくれ!!」
篤志さんは、私とお兄さんの間に割って入った。
「……帰るさ。こっちも暇じゃないからな」
――最後? ワガママ?
篤志さんのお兄さんと思われるその男性は、運転席のドアを開けようとした。
篤志さんは、ぐっと手を握り、足元を見てた。
だから、最初に私に気づいたのは、“お兄さん”
「あれ?……君は……?」
目があって、彼はゆっくり近づく。
「妃奈!」と、一歩遅れて、篤志さんが私に気が付いた。
お兄さんは、足を止めた。
「ああ、君が妃奈か?」
――篤志さん、私のこと話したの?
「兄さん!話は終わった!帰ってくれ!!」
篤志さんは、私とお兄さんの間に割って入った。
「……帰るさ。こっちも暇じゃないからな」