摩天楼Devil
兄が、父さんを支えるため、父さんの会社のことや、IT関連、通信販売業界の勉強をしてるとき、


俺はそれまでは全く無関係だった、不動産のことを勉強させられた。


それが、父さんとの約束。


自分の代わりに、神崎のおじさんを助けること。


17の頃、ある女性と出会った。


兄さんの許嫁らしい。

当然、恋愛対象なんかじゃなかったし、俺は、女の自己中心的な性格、欲望、したたかさというものに嫌悪し、

世間の女は皆そういう奴らばかりだと思っていた。


藤堂や神崎の名を聞いて寄ってきても、けっして個人を見ようとはしない。


何より、都合が悪くなったら逃げ出す、それが女だ。


レイさんもそういう種類の人間だと思った。

彼女と関係を持ったのは、兄さんにダメージを与えてやるため。


が、元々気持ちのなかった二人。

全く効果はなく、レイさんも飽きたと言って、あっさり別の男を作った。


それからまもなく、父さんがある居酒屋に俺を連れ出した。


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