摩天楼Devil
――翌日。


「今日から、お勉強かぁ」


朝食の席で、ママに、塾?家庭教師? がスタートすることを話した。


パパとは入れ違いで、会えなかった。


勉強嫌いの私が、自ら80点目指して試験勉強に励むこと、知ってほしかったのに……


動機を知れば怒られるかもしんないけどね。


ドレスとワンピのことは、ママにも当然内緒。


真悠子にはどうしよう?


「藤堂さんに迷惑かからないようにね。そういえば、彼のお父さんに会った?」


ママはコーヒーに伸ばした手を止めて、問う。


「ううん、叔父さんから名刺はもらってたけど……」


私は隣に置いていたカバンから財布を出し、カード入れに突っ込んでた名刺を出す。



――藤堂雅彦。


そういえば、お兄さんもいる、って。

< 93 / 316 >

この作品をシェア

pagetop