∮ファースト・ラブ∮ *sugary*【番外編】
「で?
あんたは麻生先輩から逃げ回っているんだ…………」
ジト目で机の下に隠れるあたしを見る親友のあいちゃん。
ついさっき、5限目の授業が終わった後に麻生先輩が教室を訪れてくれた。
だけど…………。
あいちゃんが言ったとおり、あたしは麻生先輩から逃げていた。
机の下に隠れて……。
わざわざあたしの教室までやって来てくれた先輩に『華原 手鞠(かはら てまり)は教室にはいない』とあいちゃんから伝えてもらった。
教室から遠ざかる足音に耳を澄ませながら、静かに息をはいた。
「麻生先輩、納得してないよ?
ぜったい、避けられてると思われてるよ?」
………………う。
「あんなに、麻生先輩一色に染まっていたあんたが……へぇ~、ふ~ん、ほ~」
…………うううぅ。
「あんなにカッコいい人を振り回すなんていい度胸してるよね」
…………うううううううぅ。
あいちゃんの無情な言葉があたしの胸をグサグサ刺してくる。
「これじゃ、ほんとうに嫌われるよ?」
…………ううううううううううぅ。
「でも…………でもでもでも!!
だって……最中にお腹、鳴っちゃったんだよ?
女の人とたくさんそういう経験ある人なんだよ?」
女子力なかったら幻滅されるでしょう?
「だけど、これじゃ……あんた嫌われる道一直線だわよ?」
グサッ!!
うっ!!
あいちゃんによる最後の一撃はとっても痛かった。