∮ファースト・ラブ∮ *sugary*【番外編】
キーンコーン。
ホームルームも終わりを告げるチャイムを耳に入れたあたしは、号令が終わるとほぼ同時に教室を出た。
麻生先輩がいる、3年8組の教室に向かって……。
大股で階段を駆け上がり、ホームルームがすでに終えている学年の人たちとすれ違う。
すれ違う人たちには急ぐあたしの姿は不思議に映るんだと思う。
ちくちくした視線があたしの背中にあたる。
だけど、今はそんなことを気にしている暇はない。
早く。
……早く麻生先輩に会わないと!!
嫌われる前に!!
あたしは立ちはだかる階段を一気に駆け上った。
3年8組のプレートを見つけて立ち止まって肩で息をする。
走ったことと、これから麻生先輩に会うことで混同した呼吸を整えようと、何度か深く呼吸をする。
「あれ?
手鞠ちゃん……?」
葛野先輩の声だ。
後ろを振り向けば、やっぱし葛野先輩だった。
紺色の学生カバンを肩にかけていた。
帰る支度してるみたい。
っていうことは、もうホームルームはもう終わったのかな?