もっと早く逢えていれば良かった
次の授業は英語。
意味の分からない単語がぞろぞろと並べられていく。
何も頭に入っていかないまま、黒板をじーっと見ていた。

そして、授業終了15分前になった時、さっきよりも苦しくなった。


久しぶりの大きい発作だった。



「す…ば……る‥ハァハァ…いき‥でき…ない……っ!」


胸を思いっきりつかむ。



「綾乃!?」


授業中にも関わらず大声を出す昴。
そんな注目されるくらいの声出さないでよ…。

そのせいで、みんながあたしの方を見る。
そしてざわつく。


「綾乃ちゃん、大丈夫!?」


涙架ちゃんも驚いている。


「うん…だいじょーぶ……」


いつの間にか昴にお姫様抱っこされていた。
そしてどこかへ連れて行かれる。
大体は検討できるけど。


きっと病院だ。





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