もっと早く逢えていれば良かった
ヤバい、吐き気がする。


「昴、ごめん。ちょっとトイレ行ってくるね」


「大丈夫か?」


あたしの顔を覗き込んでくる。


「大丈夫だよ」


そう言ってトイレに走って行く。

本当は大丈夫じゃない。
せっかく買ってきてくれたのに吐くなんて辛い。

でも、体が受け入れてくれなくて……。



「ごめんね、昴……」


今なら昴見てないから泣いてもいいよね?
だれも居ないトイレに入る。



そして1人で涙が枯れるまで泣いた。






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