Purewhite Devil
「はぁ、はぁーーっ」



息切れする。


それに胸が震えてる。


でも、急がないとーー。


立ち上がり飛ぼうとした時、足音が聞こえた。


振り返るとそこには氷の様に冷たい目をしたリリスが立っていた。



「リリスーー」

「下等な人間が私を呼び捨てにしないでちょうだい」



感情のない声。


変な静けさを纏っていた。



「悪魔たちに地獄に戻る様に言って」

「貴女がここで死ぬならそうしてあげるわ。核さえなければ器など意味を持たないもの」

「ガブリエルにルシファーを取られそうで怖いの?」



リリスはわたしをキッと睨みつけゆっくりと近付いてきた。


以前ほど恐怖を感じないのはどうしてだろう。



「私があの女の存在を恐れてる?そう言いたいの!?」

「だからこうして天界に来たんでしょう?」

「違うッッ!!あの女が目障りなだけよッッ!!死んだも同然なくせにしぶとくうろちょろとッッ」



ガブリエルの名前を出した途端、リリスの目や声は怒りの色を含み始めた。


リリスが近付く度に私は後ろに足を進めた。


動く度に体に痛みを感じる。




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