Purewhite Devil
「ダメだよッッ!!!!」

『離せッッ!!!!!』



糸も簡単に振りほどかれ、私は地面に放り投げられた。


身体中が痛い。


でも、こんなところでへこたれてる場合じゃない。



「リリスは貴方の事が好きなんだよ!?ただそれだけなのにッッ何で殺されなきゃいけないの!?」

『これ程までに愚かな生き物だとは思わなかった。自分がどんな目に合わされたのかもう忘れたのか?』

「確かにリリスはやり過ぎだよ。天界に攻め込むまでするなんてハッキリ言って異常だよ。でもッッそれだけ貴方の事しか考えられないって事でしょう!?」



泣くなッッ!!


そう自分に言い聞かせてはグッと気持ちを飲み込んだ。



「私も薫君を生き返らせたくてこんなとこまで来て、自分でも頭が可笑しいとしか言いようがない。だけどッッ!!ガブリエルだって同じだよッッ!!」



ガブリエルの名前にルシファーの瞳が微かに揺れ動いた。


リリスはそんなルシファーから目をそらす様に俯いた。



「ガブリエルは貴方と一緒に地獄に堕ちようとした。貴方のいないこの世界に自分が存在する意味をなくして苦しんだ」





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