Purewhite Devil
声が震える。


だけど、感情が高ぶっているからか、一度開いた口は中々閉じてはくれなかった。



「だいたい貴方がハッキリしないからリリスは苦しんでるんじゃないのっ!?」

『何だと?』



鋭い目でギロッと睨まれようともう怖くも何ともない。


私にはもう時間がない。


だから言いたい事は言わせてもらうんだから。



「リリスの真剣な気持ちに気が付いてるんでしょう?だったらどんな言葉であれ、ちゃんと口にしなきゃつたわんないよ」



リリスの顔を見ると、私を殺そうとしていた時の恐ろしい形相はどこにもなかった。


弱々しく、恋する一人の女性だった。



『リリス』

「は、いーー」



ルシファーの顔を見上げたリリスの顔は不安でいっぱいだった。


思わず応援したくなるくらい。



『俺はお前の元へ必ず帰ってくる。だから、先に屋敷で待っていろ』

「は、いーーっ」



真っ白なリリスの頬がほんのり紅葉していく。


リリスの伏せられた目から流れ落ちる涙を見て、綺麗だと思った。


リリスは涙を拭うと自分の腕を拾い上げた。


そしてそのまま肩にくっつけるとあっという間に腕がくっついてしまった。


嘘でしょ!?


そんな簡単にくっついちゃうわけ!?






< 321 / 343 >

この作品をシェア

pagetop